歯科医の資格
歯科医は「歯及び顎の噛み合せと口腔内の病気」を治療する専門医です。大学において、歯学に関する正規の課程を卒業し、歯科医国家試験に合格しなければ歯科医師になれません。さらに開業するには、歯科医師免許取得後1年以上の卒後臨床研修を終了しなければなりません。なお、歯科医師免許に更新期限はなく、歯科医業停止・免許取消をされない限り生涯にわたって有効とされています。
歯科医は歯を専門とする医師というイメージがあるかもしれませんが、医師とは全く別の国家資格であります。医師は医師法17条に定める医業を行い、歯科医師は歯科医師法17条に定める歯科医業を行います。その違いは単に、担当する部位の違いではなく、処置内容の質的な医学的程度の差異、あるいは有無の違いでもあります。「医師免許」は科による線引きはなく、免許さえあれば内科でも外科でも、好きな科目を選び治療する事ができますが、「歯科医師免許」は専門分野の治療以外をすることができません。
具体的には、補綴、充填、矯正などの咬合構築に関与する行為、歯牙・顎骨・口腔粘膜・舌・唾液腺など下顔面に発生する疾患の治療、全身疾患のうち口腔に症状を現す疾患の機能回復訓練などの行為ということになります。
ところで、口腔外科というのがありますが、診療範囲は医師と歯科医師と共通であります。伝統的には、歯科医師が主導的役割を演じ、確立されてきたもので、フランスやドイツでは、医師と歯科医師のダブルライセンスが前提条件となっているようです。また、米国においてもそれに順ずる流れとなりつつあるようですが、日本では、医師または歯科医師のシングルライセンスで支えられています。ただし、生命の危険性を相当程度伴うものが含まれているため、現実的には関連医科の医師と歯科医が連携して治療を行うのが一般的のようです。
また、患者が死亡した場合、医師は状況に応じて、死亡診断書と死体検案書の両方を作成することができますが、歯科医師は、死亡診断書のみ作成できます。